微笑みについて
娘が生まれてそろそろ二ヶ月経つ。
この生後二ヶ月というのは発達心理学の分野においては「二ヶ月革命」「第二の誕生」と言われるほど大きな意味を持つ(下記参考)。それは、この時期、赤ちゃんはコミュニケーションの相手として他者と向き合い始めるからである。
たとえば、「微笑み」。
たしかに、赤ちゃんは生まれた時から微笑みを浮かべる。しかしそれは新生児微笑というもので、見も蓋もなく言えば何の原因もないのに独りで勝手に笑っているに過ぎない。(可愛いのは可愛いし、可愛いという気持ちを親に引き起こさせ以って世話をさせるよう仕向けることが目的という説もある)。
この点、二ヶ月(ないし三ヶ月頃)を超えてから出始める微笑みは社会的微笑と呼ばれるもので、他者との関わり合い・触れ合いの中で出てくる笑みである。相手をする身としては後者の微笑みを向けられた方が張り合いはある。
ご多分に漏れず、うちの子も社会的微笑(らしきもの)を見せるようになった。これまで家族を持つことの煩わしさを中心に書いてきた(そしてこれからも書いていく予定である)が、この無邪気な微笑みだけは、本当に何物にも替えがたいものだと確信している。
もっとも、この些細な幸せだけですべての煩わしさや不満が浄化されるわけではない。これだけは強調しておく。
心が芽ばえるとき コミュニケーションの誕生と進化 (叢書コムニス)
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