小心者の上司を諫めるためには
小心者は、その本性を悟られたくないがゆえに、時として蛮勇とも思える決断を下す。しかしながら、時が経過し、いざその決断のゆえに招いた事態に直面すると、狼狽えるか責任を転嫁するのが常である。
したがって、そのような者の下についた時は、その本性に触ることなしに、むしろそれを利用して方針を変えてやる必要がある。
本性に触るとは「その決断はリスクが高いですよ」と直言することだ。これは有用ではない。なぜなら、自分がさも肝が据わっているように見せかけようとして、ますます意固地になって高リスクの自説に固執するからだ。
だから、「こうなった時にはどうしましょうか」と不安な未来を提示して、さらに肝心なことは結論をその場で出さないこと。
不安な未来さえ提示しておけば、そもそも小心者なのだから、段々と勢いも落ちてきて、方針転換してくれよう。
小心者が悪なのではない、それを取り繕うために蛮勇に走ることが悪なのである。