安牌づくり。
営業成績は、ある一定期間で査定される。たとえば、「1年で10件」というノルマを課されたならば、1年で10件いこうが15件いこうが、査定上、大きな差はない。(10件いくか、いかないかが決定的に重要なのだ)
だから、その期間内で15件いきそうならば、(古典的な手であるが)、調整だけしておいて、実際の調印は次期に回したりする。いわば「安牌」を作っておく。
自分はこれが極端に苦手で、ついつい嬉しさからクロージングまで突っ走ってしまう。おそらくは今期、20件くらいはいける勢いだが、これは賢いやり方ではない。来期に向けて、ナンボか安牌を作っておくべきだったのだ。事実、来期は酷いことになるだろう。なにせ安牌をつくらず、むしろ先食いしたようなものだ。
今期のノルマしか考えず、焦りすぎた結果が裏目に出た。
仕事上の地雷のことは忘れよ。
将来のことは誰にもわからない。神でないかぎりは担保などできない。確約などできない。突き詰めれば不確実なことばかりだし、どうなることかわからないことしかない。
仕事上で埋め込んだ地雷のことで不安になる気持ちはわかる。しかし、地雷が炸裂するまでずっと不安がっているつもりか?そんな馬鹿なことはない。やれることをやったら、あとはすっぱりと忘れよ。
それが正しいことなのかという問いはあろう。けれども、皆、究極の不安に対して日々目を背けて生きているではないか。死んだらどうなるのか、という究極も疑問に対して。
だから、仕事上の、たかが数億の損賠をされるかどうか、などという不安など忘れてしまうがよい。忘れてしまって、当面の目標に邁進するべし。それに尽きる。
可能な限り小細工よりも正直に。
商談は駆け引きだからバカ正直では話にならない。策を弄したり小細工を用いたりすることも必要。
しかし、それらは最小限に留めるべきであって、正直にストレート勝負できるならば、できる限りそうするべきである。少なくとも「小細工を用いるか、正直に行くか」で迷った時は、後者を選択すべき。
幸運の女神は賢しらな狐を好まない。
今回の商談も、正直ベースの方針をとったことが吉とでた。まだクローズには至っていないが、遠からず調印に至る見込みだ。
悪事を回避できたという幸運はなかなか認識できない。
良いことに巡り合うことだけが幸運だけではない。悪いことを回避することも幸運の一つである。前者は認識しやすいが後者は認識できない。
今日は契約をクローズするという幸運には恵まれなかったかもしれない。けれども、大過なく一日を過ごすことができたというのはこれ間違いなく幸運に恵まれたからである。
幼い娘が無事に育っているのも幸運以外の何者でもない。
悪事を回避できているというのは見えにくいけれども大変な幸運である。
「起こらなかった歴史に目を向ける」とは名言である。ナシム・タレブであったか。
出来の悪い部下をもったと嘆くことは。
「出来の悪い部下を持った」「部下の動きが悪い」などと言って嘆いたり、感情的に部下本人にあたったりすることほど愚かしいことはない。
これは麻雀に喩えるならば配牌が少々悪いからと言って嘆いたり、怒ったりするようなものである。
配牌が悪くても、周囲にそれを悟られることなく手順を間違えずに打っていれば、思わぬ大物手に化けることもある。無論ゴミ手で終わることもある。すべては幸運の女神次第である。ひとつ言えるのは配牌が悪いからと投げやりになったり、怒りを顕にして周囲にそれを悟られては、勝てるものも勝てないということ。「怒る」「投げやりになる」「やつあたりする」これらは幸運の女神の機嫌を損ねる行為である。
牌効率を考えて打っていくのか、大胆な勝負に出るのか、いずれにせよ楽しげに運命にコミットする者が彼女を振り向かせることができる。
話を戻すと、人事権が付与されていない限り、どのような部下が自分に配属されるかということは自助努力ではなんともできない部分であり、それらは幸運の女神の範疇である。ならば、幸運の女神の機嫌を損ねるようなことをするべきではない!
力配分。
主に、プロジェクトAとBに関わっている。それぞれにノルマがある。支店長が力を入れているプロジェクトはAだが、会社としてはプロジェクトBに力を入れているように思う。これは随分と不思議な状況だ。しかし実際にそうなのだから仕方ない。常識的に考えても力を入れるべきプロジェクトはBのほうだ。
さて、AもBもノルマを達成できれば良いのだが、halberの力量では困難という状況。上司(支店長、課長)からやいのやいのと急かされるのはプロジェクトAに関するノルマであるが、個人的にはプロジェクトBに力を入れている。最悪、プロジェクトAに関するノルマは未達成でも仕方ないと考えている。絶対に口にはしないし、気取られてもいけないが。
もちろん、支店長や課長の前では「両方達成するつもりです!」などと法螺を吹いているが実際、プロジェクトAについてのノルマは絶望的だ。それでも、プロジェクトBのノルマをこなせないよりはいいと考えている。
一番最悪なのは、二兎追うあまりにどちらも未達成で終わること。
そしてどちらを取るかという判断については、支店長や課長の趣味ではなく、社内的にどうなのか?ということを念頭において自分で判断する。