カツオ出汁
独身時代からしばしば料理はしている。
長年のhalberにおける料理の基本方針(というほどのたいそうなものでなはないが)として、「出汁をしっかりとる」ということを意識している。
実際、自分で料理をするまでは「出汁なんてあってもなくても変わらんやろ。醤油や酒と違って、味に影響を与えるものではない」と思っていたが、なんのなんの、出汁をとるとらないでは完成品の味が全然違う。
昆布、椎茸、煮干しなど出汁にも色々あるが、とくにカツオの出汁が好きだ。カツオ出汁の味噌汁ほど旨いものはない。
『菜の花の沖』という江戸時代後期の商人高田屋嘉兵衛を描いた司馬遼太郎の小説がある。そのなかで、「江戸時代、カツオの出汁というのは贅沢品であって庶民がそうそう口にできるものではなかった」というような記述があった。(庶民はせいぜい「いりこ(煮干し)」の出汁であったらしい)。
halberのような庶民でもカツオ出汁が自由に使える時代に生まれたことを感謝しつつ、今日も「だしてんねん」で出汁をとって家族の食事を作る。