結婚はセーフティネットではない。
佐藤優氏はこの本のなかで結婚にはセーフティネットとしての機能があると指摘する。
理由は大きく分けて二つ。①(共働き前提だが)世帯収入が増加する。②何かあったときに双方の人脈(家族の繋がり)を利用できる。
①については概ね同意であるが、②については人脈によるネガティブな側面が考慮されていないと思う。
配偶者の家族は何かあったときに手を貸してくれるだろうが、逆もまた然り。
具体的に言うと、配偶者の親が認知症になったりすれば、当然介護する必要があるわけなのである。損得だけの話で言えば、それは大きなリスクであり、時間的・金銭的なコストである。
ゆえに、結婚はセーフティネットとして捉えるべきでない。むしろ、社会的・法律的なシガラミが増える拘束具として解釈するべきである。
ここからは飛躍になるが、悪人が親族間のシガラミに巧みに付け込んだのが、尼崎の連続殺人事件である。おそるべし。繰り返すが家族を持つというのは弱点やリスク、コストを増やすことになるという一面がある。